にっこり笑っているような顔で、世界中の人をとりこにしているクオッカ。「世界一幸せな動物」と呼ばれているのを聞いて、どんな動物なのか気になっていませんか?
クオッカはオーストラリアだけにすむ、ワラビーの仲間の小さな有袋類です。あの愛らしい笑顔の裏には、きびしい環境をかしこく生きぬくためのひみつがかくれているんですよ。
本記事では、クオッカの特徴や生態、なぜ笑っているように見えるのか、そして日本で会える場所まで紹介します。会いに行く前に、ぜひ読んでみてくださいね。
クオッカってどんな動物?基本データ
クオッカは、カンガルー科セトニクス属に分類される動物です。学名は Setonix brachyurus(セトニクス・ブラキウルス)。カンガルーやワラビーと同じ「有袋類(おなかに袋を持つ仲間)」で、別名「クアッカワラビー」とも呼ばれます。
ネコくらいの大きさの、ずんぐりした体つきが特徴です。まずは大きさや寿命を、下の表で見てみましょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 体長(頭から尾のつけ根) | 約40〜90cm |
| 尾の長さ | 約25〜30cm |
| 体重 | オス約2.7〜4.2kg・メス約1.6〜3.5kg |
| 寿命 | 野生で約10年(飼育下では最長14年ほど) |
| 分類 | カンガルー科セトニクス属(有袋類) |
| 主食 | 草・葉・木の芽など(植物食) |
| IUCN保全状況 | 危急種(VULNERABLE) |
出典: Animal Diversity Web「Setonix brachyurus」(ミシガン大学)(参照日2026-06-15)
短い後ろ足とまるい体で、ぴょんぴょんと跳ねるように移動します。木に登ることもでき、低い枝の葉を食べる姿も見られるんですよ。
なぜ「世界一幸せな動物」と呼ばれるの?
クオッカが「世界一幸せな動物」と呼ばれるのは、まるでにっこり笑っているように見える顔つきからです。口角が上がったような口元と、つぶらな目が、見る人を笑顔にしてくれるんですね。
ただし、これはあくまで顔のつくりがそう見えるというだけで、本当に笑っているわけではありません。それでも、人をこわがらずに近づいてくる好奇心の強さも相まって、世界中で大人気の動物になりました。クオッカと一緒に写真を撮る「クオッカ・セルフィー」は、SNSでもおなじみの光景なんですよ。
出典: WWF Australia「Quokka」(参照日2026-06-15)
クオッカの生態
暮らす場所・分布
クオッカは、オーストラリア西南部だけにすむ固有の動物です。昔は本土に広く分布していましたが、今ではパース沖の「ロットネスト島」、アルバニー近くの「ボールド島」、そして本土南西部の限られた森にしか残っていません。
とくにロットネスト島は、世界でもっとも知られたクオッカの生息地です。島では人をおそれずに暮らしているため、クオッカに会える場所として世界中から観光客が訪れます。水のある場所の近くを好み、しげった草やぶの中で休む習性があります。
出典: WWF Australia「Quokka」(参照日2026-06-15)/Animal Diversity Web(ミシガン大学)(参照日2026-06-15)
夜行性で、食べ物は植物
クオッカは夜行性で、昼間は日かげやしげみの中で休み、おもに夜になってから活動します。食べ物は草や葉、木の芽など、植物が中心の草食性です。
すごいのは、水が少ない環境でも生きていけること。食べた植物にふくまれる水分で、必要な水のかなりの部分をまかなえるんですよ。雨が少なく乾いた島で暮らしていけるのは、こうした体の工夫があるからなんですね。
出典: Animal Diversity Web「Setonix brachyurus」(ミシガン大学)(参照日2026-06-15)
繁殖・赤ちゃんの暮らし
クオッカの妊娠期間は約27日ととても短く、一度に産む赤ちゃんは1頭です。生まれたばかりの赤ちゃんは「ジョーイ」と呼ばれ、お母さんのおなかの袋(育児嚢)の中で約6か月間、大切に育てられます。
クオッカには、有袋類ならではの「胚休眠(はいきゅうみん)」というしくみがあります。これは、おなかの中の小さな命の成長を一時的にお休みさせ、子育ての条件が整ったタイミングで再開させるというもの。きびしい環境でも子孫を残していくための、かしこいしくみなんですよ。
出典: Animal Diversity Web「Setonix brachyurus」(ミシガン大学)(参照日2026-06-15)
ロットネスト島の名前は「ネズミの巣」が由来
クオッカの一大生息地として有名なロットネスト島。じつはこの島の名前は、クオッカが由来になっているんです。
1696年、オランダの探検家ウィレム・デ・フラミングがこの島を訪れたとき、たくさんのクオッカを見て「大きなネズミ」だと思いこみました。そこで島を、オランダ語で「ネズミの巣(Rottenest)」と呼んだのが、ロットネスト(Rottnest)島という名前の始まりとされています。今では世界一の人気者になったクオッカも、最初はネズミとまちがえられていたなんて、ちょっとおもしろいエピソードですよね。
出典: Rottnest Island(ロットネスト島公式)「Quokkas」(参照日2026-06-15)
クオッカの保全状況
愛らしいクオッカですが、じつは数が減ってきている動物でもあります。IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでは「危急種(VULNERABLE)」に分類されていて、オーストラリアの法律(EPBC法)でも同じく保護の対象になっています。
ロットネスト島には比較的多くのクオッカが暮らしていますが、本土の個体数は大きく減ってしまいました。主な原因は、森林の開発によるすみかの減少と、人が持ちこんだキツネやネコといった天敵に襲われることです。さらに、気候変動による乾燥化も心配されています。世界中で愛されるクオッカがこれからも元気に暮らしていけるよう、その生息地を守る取り組みが続けられているんですよ。
出典: WWF Australia「Quokka」(参照日2026-06-15)
クオッカに会うときの注意点
クオッカは人なつっこく近づいてきてくれますが、あくまで野生動物です。ロットネスト島では、クオッカに触れたり、エサをあげたりすることは法律で禁止されています。人間の食べ物はクオッカの体に良くなく、健康をそこねてしまうことがあるからなんですね。
一緒に写真を撮るときも、追いかけたり抱き上げたりせず、クオッカが自分から近づいてくるのを待つのがマナーです。やさしい気持ちで見守ることが、クオッカを守ることにつながりますよ。
出典: Rottnest Island(ロットネスト島公式)「Protect Our Wildlife」(参照日2026-06-15)
日本でクオッカに会える場所
「クオッカに会いたいけれど、オーストラリアまで行くのはむずかしい……」という方もいますよね。じつは日本でも、クオッカに会える場所があるんです。ただし飼育している施設はごく限られているため、貴重な機会といえます。
日本で会える施設や、それぞれの最新の展示状況・アクセス・観覧のポイントは、こちらの記事でくわしくまとめています。

展示の時間や状況は変わることがあります。おでかけ前に、各施設の公式サイトで最新情報を確認してくださいね。
クオッカのよくある質問
まとめ
- クオッカはカンガルー科の有袋類で、ワラビーの仲間(別名クアッカワラビー)
- 笑っているような顔つきから「世界一幸せな動物」と呼ばれる
- 夜行性で植物を食べ、少ない水でも生きられる体を持つ
- 妊娠期間は約27日、赤ちゃんは袋の中で約6か月育つ。胚休眠のしくみを持つ
- ロットネスト島の名前は「ネズミの巣」が由来。IUCNでは危急種
- 触れる・エサやりは禁止。日本でも限られた施設で会える
- 触れない・エサをあげない(人間の食べ物は体に良くない)
- 追いかけず、自分から近づいてくるのを待つ
- 展示状況は変わるため、おでかけ前に公式サイトで確認する
笑っているような顔の裏に、きびしい環境を生きぬく工夫がいっぱい――知れば知るほど好きになるのがクオッカです。日本でも会える場所があるので、こちらの記事もチェックしてみてくださいね。

ほかのちょっと変わった動物の生態が気になった方は、こちらの記事もおすすめですよ。


参考: Quokka – Wikipedia(参照日2026-06-15)


