木の上でくつろいだり、両手をあげて立ち上がったり――愛らしいしぐさで動物園の人気者になっているレッサーパンダ。じつはジャイアントパンダとは別の仲間だと知っていましたか?
レッサーパンダは、ヒマラヤから中国にかけての山にすむ動物です。あのもふもふのしっぽや、竹を上手につかむ手には、寒い山で生きるための工夫がつまっています。
本記事では、レッサーパンダの特徴や生態、ジャイアントパンダとのちがい、そして絶滅が心配される現状まで紹介します。会いに行く前に、ぜひ読んでみてくださいね。
レッサーパンダってどんな動物?基本データ
レッサーパンダは、ネコ目(食肉目)レッサーパンダ科に分類される動物です。学名は Ailurus fulgens(アイルルス・フルゲンス)。じつはレッサーパンダ科に属するのはレッサーパンダだけで、近い親せきのいない、めずらしい動物なんですよ。
ネコより少し大きいくらいの体に、長くてふさふさのしっぽが特徴です。まずは大きさを、下の表で見てみましょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 体長(頭から胴) | 約56〜62cm |
| しっぽの長さ | 約37〜47cm |
| 体重 | 約3.7〜6.2kg |
| 寿命 | 野生で約8〜10年(飼育下では14年ほど) |
| 分類 | ネコ目レッサーパンダ科(1科) |
| おもな食べ物 | 竹の葉(ほか木の実・花・卵など) |
| IUCN保全状況 | 絶滅危惧種(ENDANGERED) |
出典: Animal Diversity Web「Ailurus fulgens」(ミシガン大学)(参照日2026-06-16)
赤茶色の体と、白と茶のしまもようのしっぽ、白いまゆのような顔のもよう。森の中ではこの色が木のこけや赤い実にとけこんで、身を守る役にも立っているんですよ。
ジャイアントパンダとは別の仲間
「パンダ」というと、白黒のジャイアントパンダを思いうかべる人が多いですよね。でも、じつはレッサーパンダとジャイアントパンダは、見た目も分類もちがう別の動物なんです。
「レッサー(lesser)」は英語で「小さいほう」という意味。もともと「パンダ」と呼ばれていたのはレッサーパンダのほうで、あとから見つかった白黒の大きいパンダが「ジャイアントパンダ」と名づけられました。今では別々の科に分類されていますが、どちらも竹を主食にし、竹をつかむための「6本目の指」を持つという共通点があります。これは、遠い別々の祖先が、同じように竹を食べる暮らしに合わせて進化した結果と考えられています。
出典: Smithsonian’s National Zoo「Red Panda」(スミソニアン国立動物園)(参照日2026-06-16)
レッサーパンダの生態
暮らす場所・分布
レッサーパンダは、ヒマラヤ山脈から中国南部にかけての高い山にすんでいます。ネパール、インド北東部、ブータン、ミャンマー北部、中国などで、標高2,200〜4,800mほどの竹がしげる森が暮らしの場です。
すずしい気候を好み、温帯の落葉樹や針葉樹の森で暮らします。木登りが得意な動物(樹上性)で、昼間は木の上の巣穴などで休んでいることが多いんですよ。
出典: Animal Diversity Web「Ailurus fulgens」(ミシガン大学)(参照日2026-06-16)
食べ物のほとんどが「竹」
レッサーパンダの食事は、その大部分を竹の葉がしめています。ジャイアントパンダと同じく、竹を主食にする数少ない動物のひとつです。栄養の多い葉の先や、やわらかい新芽を選んで食べます。
竹は栄養が少ないため、たくさん食べて栄養をおぎなう必要があります。竹だけでなく、木の実や花、鳥の卵などを食べることもある雑食ですが、暮らしの中心はあくまで竹なんですね。
出典: Smithsonian’s National Zoo「Red Panda」(スミソニアン国立動物園)(参照日2026-06-16)
竹をつかむ「6本目の指」
レッサーパンダの前足には、ふつうの5本の指のほかに、手首の骨が発達してできた「6本目の指(偽の親指)」があります。これを使って竹をしっかりにぎり、上手に食べることができるんです。
このしくみは、ジャイアントパンダにもそなわっています。まったくちがう仲間なのに同じ工夫を持っているのは、どちらも竹を食べる暮らしに合わせて進化したためと考えられています。
出典: Smithsonian’s National Zoo「Red Panda」(スミソニアン国立動物園)(参照日2026-06-16)
ふさふさのしっぽは「バランス」と「防寒」のため
レッサーパンダの長くてふさふさのしっぽには、ちゃんと役割があります。ひとつは、木の上を歩くときに体のバランスをとること。もうひとつは、寒い山でねむるとき、しっぽを体に巻きつけて毛布のように暖をとることです。
標高の高い、冷えこむ森で暮らすレッサーパンダにとって、このしっぽは寒さをしのぐ大切な体の一部なんですね。基本的にはひとりで暮らし、明け方や夕方によく活動します。
出典: Smithsonian’s National Zoo「Red Panda」(スミソニアン国立動物園)(参照日2026-06-16)
なぜ立ち上がるの?
レッサーパンダといえば、両手を上にあげて立ち上がる「立ち姿」が有名ですよね。動物園でこの姿を見せると、大きな歓声があがります。
かわいく見えるこの行動ですが、一般には、相手に対して体を大きく見せ「自分を強く見せる」ための威嚇のしぐさとされています。敵に出会ったとき、体を大きく見せて身を守ろうとしているといわれているんですね。動物園では人やほかの個体に対して見せることがあり、その愛らしさが人気を集めています。立ち姿が話題になった日本のレッサーパンダ「風太くん」を、覚えている方もいるかもしれませんね。
レッサーパンダの保全状況
愛らしいレッサーパンダですが、野生では数が大きく減っている動物です。IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでは「絶滅危惧種(ENDANGERED)」に分類されています。
研究者によると、レッサーパンダの数はここ20年ほどで約40%も減ったと考えられています。主な原因は、森林の開発によるすみか(竹林)の減少と、毛皮などをねらった密猟、そして人の活動が森に広がったことです。世界中で愛されるレッサーパンダがこれからも暮らしていけるよう、生息地を守る取り組みが続けられているんですよ。
出典: Smithsonian’s National Zoo「Red Panda」(スミソニアン国立動物園)(参照日2026-06-16)
レッサーパンダのよくある質問
まとめ
- レッサーパンダはネコ目レッサーパンダ科で、近い親せきのいないめずらしい動物
- ジャイアントパンダとは別の仲間。竹食と「6本目の指」が共通点
- 食べ物のほとんどが竹の葉。明け方や夕方に活動する
- ふさふさのしっぽはバランスと防寒のため
- 立ち上がるのは、体を大きく見せる威嚇のしぐさとされる
- IUCNでは絶滅危惧種。20年で約40%減ったとされる
- 竹を「6本目の指」でつかんで食べる手元に注目
- 明け方や夕方の涼しい時間のほうが活発に動きやすい
- 展示状況は変わるため、おでかけ前に公式サイトで確認する
もふもふのしっぽや「6本目の指」など、知れば知るほど奥が深いのがレッサーパンダです。ほかの動物の生態が気になった方は、こちらの記事もチェックしてみてくださいね。


参考: レッサーパンダ – Wikipedia(参照日2026-06-16)


